Effective Computer Science - 頂は礎の上に -

新しい技術の多くは基礎的な技術の上に成り立っています。激動の技術変化に耐えうる体系知識の習得を目的に「基礎と実践の架け橋」となるサイトを目指します。

コンピューターサイエンスを学ぶことの重要性

情報系のバックグラウンドがあると何が変わるのか?

最新技術のキャッチアップに求められる素養

コンピュータサイエンスの研究をする上では、一つの分野だけでなく、幅広い分野について深い知見を有することが極めて重要である、ということです。たとえば、データベースの研究をする上では、トランザクション処理の理論や関係代数について詳しく知っているだけではなく、データベースを動かすコンピュータアーキテクチャ、ストレージ、また、今では分散データベースが一般的になってきているので、コンピュータネットワークについての知見も持っていることが必要不可欠です。深層学習を研究する上では、いまや、一台のコンピュータを使って実現するだけでは競争力が持てず、効率の良い並列処理が必須です。フレームワークを作る上では、コンピュータアーキテクチャや言語処理系の仕組みを理解していることが不可欠です。ドメイン特化した言語を作るような場面では、プログラミング言語理論についての理解がなければ、建増し建築のような言語が簡単にできてしまいます。強化学習においては、シミュレーションや、レンダリングの技術を洗練させていくことも重要です。

このように、一つの分野を知っているだけではもはや強みを出すことはできない時代になってきています。どのような分野と分野を融合したら新しい技術が生み出されるのか、最初から予見するのは難しいことです。私たちには、最先端の技術を切り拓いていくミッションがあります。そのために、すべての分野へ精通するべく、技術を追求していくことが極めて重要だと考えています。

国内随一のAIスタートアップ企業「PFN」の採用募集ページに書かれたリサーチャーの条件には、「コンピュータサイエンスのすべての分野に精通していること」という一文があります。この条件は、PFIの時から、リサーチャーの応募資格として常に掲げられてきました。

プリファードネットワークス(PFN)の前身となるプリファードインフラストラクチャー(PFI)は、社長である前川徹や副社長である岡野原大輔らによって、2006年に起業された。前川や岡野原は東京大学大学院情報系研究科出身者で、彼ら以外にも京都大学大学院出身者など10人からなる技術者集団としてスタートした。彼らは、ACM-ICPC国際大学対抗プログラミングコンテストに参加した日本の秀英たちだ。