Effective Computer Science - 頂は礎の上に -

新しい技術の多くは基礎的な技術の上に成り立っています。激動の技術変化に耐えうる体系知識の習得を目的に「基礎と実践の架け橋」となるサイトを目指します。

大学二年次に学ぶこと

プログラミングの基礎的な理論

【到達目標】 自動ビルドシステム,コンパイラ,テストツール,ソフトウェアリポジトリなどを用いた現代的なプログラミング環境を効果的に利用できること,システムの状態という概念を理解し,状態を扱うプログラミングの設計・開発ができる能力を身につけること,ある程度の規模の実用性のあるソフトウェアの開発の能力を身につけることを目標とする.

【テーマ】 関数型プログラミングの初初歩を学んだ学生を対象として,状態を扱ったプログラミングの基礎を学ぶ.

プログラミングの基礎的な実装

【講義の概要とねらい】
プログラミング第1で学んだ様々なプログラミングにおける概念を,実際にプログラミングし動かしてみる。プログラミングの実践的な理解を得ることを授業のねらいとしている。

【到達目標】
手続き型プログラミング言語の系統的な理解を得る。

キーワード

手続き型プログラミング言語の基礎概念(データ型、制御構造、関数と手続き、再帰、入出力) 基本的なデータ構造とアルゴリズム(配列、リスト、木、探索、整列)

計算基礎論

【主題と目標】
さまざまな「問題」を数学的に定式化すると,それらは計算可能なもの(すなわちコンピュータプログラムを実行することで解ける問題)と計算不可能なものに分類され,さらにそれぞれが「計算にかかる時間」や「計算不可能性の度合」などにより細かく分類される.このような分類を厳密に与えてその性質を数学的に調べる分野を計算論と呼ぶ.本講義の目標は,情報科学および数学の常識としての計算論の入門部分を身に付けることである.

【キーワード】

チューリング機械,帰納的関数,λ計算,計算可能性

計算論入門  計算の基本原理理解のために (OD版)

計算論入門 計算の基本原理理解のために (OD版)

論理回路理論

この講義は、はじめてディジタル論理回路を学ぶ人を対象とし、回路の理解と設計の基本を学ぶことを目的とする。具体的な流れは、2進数の算法、論理演算、組合せ回路の設計法と代表的な組合せ回路、フリップフロップ、順序回路の設計法と代表的な順序回路、論理回路の実現、メモリ、ディジタル回路からコンピュータへ、という具合である。この授業の特徴は、(1)回路設計などのわかりやすい実例を多数示すことで受講者の理解を容易にした点、(2)クワイン・マクラスキー法などを入れて一般性を高めた点、(3)適切なレベルの演習問題を出し、全問題の解答を示す点、(4)例示した回路を組み合わせることによってコンピュータの基本をボトムアップ的にわかるようにした点、などである。

キーワード

論理代数、論理関数、組合せ論理回路、順序回路、ハードウェア記述言語

論理回路入門

論理回路入門

基礎集積回路

集積回路はエレクトロニクスシステムの高機能化・高信頼性化・低価格化を担うキーデバイスである。集積回路製造技術の着実な進歩により、集積可能な回路規模は等比級数的に増大している。本講義では、このような集積回路の設計技術について、特に論理設計以降の設計工程を中心に講述する。 具体的には、集積回路設計技術の現状と技術動向、CMOSプロセス技術、CMOSレイアウト設計、MOSデバイス特性、CMOSスタティックゲート、CMOSダイナミックゲート、LSI設計法、FPGAについて講義する。

キーワード

ディジタル集積回路,論理,レイアウト,MOSトランジスタ

集積回路工学 (電気電子工学シリーズ)

集積回路工学 (電気電子工学シリーズ)

確率と統計

統計モデルとしての多様な確率分布族と,それらに対する種々の統計推測法について解説する.多くの例を通じ,受講者が確率統計の基本事項に習熟することを目標とする.確率的な構造の表現からはじめ,確率の性質,確率変数と確率分布,独立性等の用語を準備し,離散確率分布とその例と計算法,連続分布とその例,確率変数の期待値,変数変換の公式,混合分布,指数型分布族,多次元分布の基礎について解説する.前半の確率の基礎概念の導入の後,確率モデルの推定について紹介する.不偏推定が統計推測の数理的構造を理解するための例となる.十分性,因子分解定理,完備性,ラオ•ブラックウェルの定理,レーマン•シェフェの定理,統計的決定理論の枠組み,ベイズ推定について説明する予定である.

キーワード

確率の公理、期待値、分散、積率母関数、多次元確率分布、統計的独立、相関、正規分布、二項分布、大数の法則、中心極限定理、点推定、仮設検定、区間推定、ベイズ統計学

確率と統計 (現代基礎数学)

確率と統計 (現代基礎数学)

フーリエ変換とラプラス変換

本講義では,線形システムに関する解析手法であるフーリエ級数,フーリエ変換およびラプラス変換を扱う。線形システム,周期信号とフーリエ級数を説明し,続いて,非周期信号とフーリエ変換,フーリエ変換の性質,たたみ込み,離散フーリエ変換,高速フーリエ変換を扱う。さらにフーリエ変換の拡張として,ラプラス変換,ラプラス変換の性質を説明し,ラプラス変換を用いた微分方程式の解法を説明する。講義と演習を密接に組み合わせて,線形システムに広く応用可能な数学的手法の基礎を提供する。 電気電子工学や情報通信工学では,周波数領域での考え方は必須である。すなわち,電気回路の入力電圧を時間の関数で与えて出力電圧の時間関数を求めるとき,一般に我々は回路および入出力電圧関数を時間領域で考えている。しかしこの問題はフーリエ変換などの数学的手法を用いると,周波数領域という別の見方で捉え直すことができて,その結果工学的に極めて有用な結果が得られる。先に示した電気回路は線形システムの一例であるが,この数学的手法は電気回路以外の線形システムにも幅広く適用することができることから,工学の数学では最も有効な科目ともいえる。講義で学んだ手法を実際の問題に応用し,解決する醍醐味を味わってほしい。

キーワード

フーリエ級数展開,フーリエ変換,離散フーリエ変換,ラプラス変換,時間領域,周波数領域,過渡解析,標本化定理,線形システム,電子回路,伝達関数,システムの安定性

応用解析学の基礎―複素解析、フーリエ解析・ラプラス変換

応用解析学の基礎―複素解析、フーリエ解析・ラプラス変換